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実家2,000万円+預金1,000万円を兄弟2人で分ける方法|代償金と売却手残りの試算
公開日 |2026年10月時点の法令に基づく試算|執筆・監修:矢部 敦
親が残した実家(2,000万円)と預金(1,000万円)を兄弟2人で分けるとき、相続税よりも先に悩むのが「実家を誰がどう引き継ぎ、ほかの兄弟にいくら渡せば公平か」です。
このページでは実家の実勢価格2,000万円・固定資産税評価額1,400万円・預金1,000万円・兄弟2人という仮定条件で、法定相続分どおりの1人あたり目安、実家を1人が取得して代償金を払う「代償分割」、売却して現金で分ける「換価分割」の3つを、同じ計算式で並べて比べます。
実家を1人が取得する場合の代償金は自己資金から500万円、売って分けると1人1,463万円が手残りの試算です。
法定相続分どおりの1人あたり目安
実家2,000万円+預金1,000万円を2人で均等
1,500万円
代償分割:実家取得者の持ち出し
相続預金を兄弟に渡したうえで自己資金から払う額
500万円
換価分割:1人あたりの実質手残り
空き家特例あり・仲介手数料と税を控除後
1,463万円
実家2,000万円+預金1,000万円を兄弟2人で分けるときの基本
相続人が兄弟(子)2人だけの場合、民法のは均等です。実家と預金を合わせた3,000万円を2人で割った1,500万円が、1人あたりの目安になります。ただし実家は分けられないので、「誰かが実家を取り、ほかの人に現金で調整する」か、「売って現金にしてから分ける」かを選ぶことになります。
パターン①:1人が実家を相続し、兄弟に代償金を払う(代償分割)
法定相続分どおりなら1人あたりの目安は1,500万円です。実家だけで2,000万円あるため、実家を取得する人は他の兄弟1人に合計1,500万円相当を渡す必要があります。
相続預金1,000万円を全額ほかの兄弟に渡しても500万円足りず、実家取得者が自己資金から代償金として支払う試算になります(兄弟1人あたり500万円)。
| 項目 | 固定資産税評価額ベース | 実勢価格ベース |
|---|---|---|
| 1,400万円 | 2,000万円 | |
| 1人あたりの法定取得目安 | 1,200万円 | 1,500万円 |
| 他の兄弟1人の取り分合計 | 1,200万円 | 1,500万円 |
| うち相続預金でまかなえる額 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 実家取得者が自己資金から払う代償金 | 200万円 | 500万円 |
同じ実家を固定資産税評価額(1,400万円)で評価すると代償金は200万円となり、実勢価格ベースとの差は300万円です。どの価格で評価するかは法律で決まっておらず兄弟間の合意事項ですが、評価額ベースは実家取得者に有利になりやすく、後から不公平感が出やすいポイントです。
パターン②:実家を売却して現金で分ける(換価分割)の手残り
実家を2,000万円で売却して分ける換価分割では、仲介手数料72.6万円と印紙税を差し引き、空き家の3,000万円特別控除が使えれば譲渡所得税は0万円、1人あたり1,463万円が手残りの試算です。特例が使えない場合は税が371万円かかり、1人あたり1,278万円になります。
| 項目 | 空き家特例あり | 特例なし |
|---|---|---|
| 売却価格 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 仲介手数料(税込上限)+印紙税 | −736,000円 | −736,000円 |
| −0円 | −3,710,200円 | |
| 売却の手残り+預金1,000万円 | 29,264,000円 | 25,553,800円 |
| 1人あたりの実質手残り(2人で均等) | 14,632,000円 | 12,776,900円 |
換価分割は金額の公平さが分かりやすい一方、売却価格は査定と市況で変わり、売れるまでの維持費もかかります。実家を残したい人がいる場合は代償分割との組み合わせ(一部を代償金、残りを売却)も検討されます。の期限内に売ると税負担が軽くなります。
この条件で特に注意したいこと
代償金は預金の半分以下。取得者の貯蓄で現実的な範囲です
自己資金から払う代償金500万円は相続預金1,000万円の50%です。取得者に同程度の貯蓄があれば代償分割が成立しやすく、足りない場合も分割払いの合意で調整しやすい水準です。
条件を変えてシミュレーションするシミュレーション結果
実家の価格・預金・兄弟の人数を動かすと、右側の結論と表がその場で更新されます。案を固定して別の案と比べることもできます。
条件
不動産会社の査定額や周辺の取引事例
納税通知書の課税明細に記載。実勢価格の7割前後が目安
相続税の判定に使用。分からなければ実勢価格の8割が目安
試算条件:兄弟2人/実勢価格2,000万円/固定資産税評価額1,400万円/相続税評価額1,600万円/預金1,000万円/空き家特例あり
実家を1人が取得する場合の代償金は自己資金から500万円、売って分けると1人1,463万円が手残りの試算です。
1人あたりの法定取得目安
実家+預金 3,000万円 を2人で均等
1,500万円
代償分割:実家取得者の持ち出し
相続預金を兄弟に渡したうえで自己資金から払う額
500万円
換価分割:1人あたりの実質手残り
空き家特例あり・手数料と税を控除後
1,463万円
いまの条件での注意点
代償金は預金の半分以下。取得者の貯蓄で現実的な範囲です
自己資金から払う代償金500万円は相続預金1,000万円の50%です。取得者に同程度の貯蓄があれば代償分割が成立しやすく、足りない場合も分割払いの合意で調整しやすい水準です。
代償分割:評価額の基準でこれだけ変わる
| 項目 | 固定資産税評価額ベース | 実勢価格ベース |
|---|---|---|
| 実家の評価 | 1,400万円 | 2,000万円 |
| 相続財産の合計 | 2,400万円 | 3,000万円 |
| 1人あたりの法定取得目安 | 1,200万円 | 1,500万円 |
| 他の兄弟の取り分合計 | 1,200万円 | 1,500万円 |
| うち相続預金でまかなえる額 | 1,000万円 | 1,000万円 |
| 実家取得者が自己資金から払う代償金 | 200万円 | 500万円 |
| 兄弟1人あたりの代償金 | 200万円 | 500万円 |
評価の基準が違うだけで代償金は300万円変わります。どちらを使うかは兄弟間の合意事項ですが、実勢価格を知らないまま評価額で合意すると、あとから不公平感が生じやすいところです。
換価分割:売って現金で分けた場合の手残り
| 項目 | 空き家特例あり | 特例なし |
|---|---|---|
| 売却価格(実勢価格) | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 仲介手数料(税込上限) | −726,000円 | −726,000円 |
| 印紙税 | −10,000円 | −10,000円 |
| 取得費(不明のため売却価格の5%) | 1,000,000円 | 1,000,000円 |
| 特別控除の適用額 | 18,264,000円 | 0円 |
| 譲渡所得税・住民税(長期 20.315%) | −0円 | −3,710,200円 |
| 売却の手残り | 19,264,000円 | 15,553,800円 |
| +相続預金 | 10,000,000円 | 10,000,000円 |
| 1人あたりの実質手残り(2人で均等) | 14,632,000円 | 12,776,900円 |
特例の有無で手残りの合計が371万円変わります。特例には建築年や売却期限などの要件があり、適用できるかは税理士に確認が必要です。
1人あたりの受取額を比べる
参考:相続税の基礎控除との比較(概算)
相続税評価額1,600万円+預金1,000万円=2,600万円に対し、法定相続人2人の基礎控除は4,200万円です。この仮定条件では基礎控除以下のため、相続税の申告は原則不要という試算になります。他の財産や生前贈与の有無でも変わるため、あくまで目安です。
相続税はかかる?基礎控除との比較(概算)
相続税の計算では実家を路線価などの相続税評価額で評価します。ここでは実勢価格の80%(1,600万円)と仮定すると、相続財産は2,600万円で、法定相続人2人の基礎控除4,200万円以下のため、この仮定条件では相続税の申告は原則不要という試算です。
どちらの分け方が向いているか
- 代償分割が向く:実家に住み続けたい兄弟がいて、代償金500万円を自己資金や相続預金で用意できる場合。
- 換価分割が向く:誰も実家に住む予定がなく、金額の公平さを優先したい場合。空き家特例の期限(相続開始から3年目の年末)までに売ると税負担が軽くなります。
- 注意したい共有:とりあえず兄弟の共有名義にする方法は、将来の売却に全員の同意が必要で、次の相続で持分が分散しやすいため、専門家の間では慎重に検討すべき方法とされています。
- 母が存命の場合:父が亡くなった一次相続で母と子で分けるなら、シミュレーターの「相続人の構成」を「母(配偶者)と子」に切り替えると、母の取り分(1/2)と代償金、配偶者の税額軽減を含めて試算できます。この条件で母+子の試算を開く
よくある質問
Q実家2,000万円を兄弟の1人が相続する場合、ほかの兄弟1人に払う代償金はいくらですか?
本ページの仮定条件(実家の実勢価格2,000万円・固定資産税評価額1,400万円・預金1,000万円・兄弟2人)では、法定相続分どおりの1人あたり目安は1,500万円で、相続預金1,000万円をほかの兄弟に渡したうえで、実家取得者が自己資金から支払う代償金は合計500万円(1人あたり500万円)という試算です。実家の評価をいくらにするかで金額は変わります。
Q代償金を分割払いにすることはできますか?
相続人全員が合意すれば可能です。支払期間・金額・利息の有無・遅延時の扱いを遺産分割協議書に明記し、必要に応じて実家に抵当権を設定する例もあります。合意内容の文書化は司法書士や弁護士の領域です。
Q実家を売って分ける場合、兄弟1人あたりの手残りはいくらですか?
売却価格2,000万円・取得費不明(概算取得費5%)・所有期間5年超の仮定で、空き家の3,000万円特別控除の要件を満たした場合は1人あたり1,463万円、特例が使えない場合は1,278万円という試算です(相続預金1,000万円を含む)。特例の適用可否は建築年や売却期限などの要件によるため、税理士にご確認ください。
Q固定資産税評価額と実勢価格のどちらで代償金を決めるべきですか?
法律上の決まりはなく、相続人全員の合意で決めます。実務では時価(実勢価格)を基準にするのが一般的といわれますが、本ページの仮定条件では評価額ベースにすると代償金が300万円少なくなり、実家取得者に有利になります。全員が納得するには、不動産会社の査定など客観的な価格資料を共有したうえで話し合うのが公平です。
Qこの条件で相続税はかかりますか?
実家を相続税評価額(実勢価格の80%と仮定した1,600万円)で評価すると相続財産は2,600万円で、法定相続人2人の基礎控除4,200万円以下のため、この仮定条件では相続税の申告は原則不要という試算です。実際の評価は路線価や固定資産税評価額が基準で、他の財産や生前贈与の有無でも変わります。個別の判断は税理士にご確認ください。
計算の前提条件・対象外事項・出典
- 基準法令日
- 2026年10月時点の法令(2026-10-01 時点)に基づく試算です。法改正により結果が変わることがあります。
- 計算の前提条件
- 実家の実勢価格2,000万円、固定資産税評価額1,400万円(実勢価格の70%と仮定)、相続税評価額1,600万円(実勢価格の80%と仮定)
- 相続預金1,000万円、相続人は兄弟(子)2人のみで配偶者はいない
- 法定相続分どおり均等に分けることを「公平」の基準とし、遺言・寄与分・特別受益は考慮しない
- 代償分割では実家取得者が実家を取得し、相続預金はすべてほかの兄弟に渡したうえで不足分を自己資金から支払う
- 換価分割の売却価格は実勢価格と同額、取得費は不明(売却価格の5%)、所有期間は5年超、仲介手数料は法定上限(税込)
- 空き家特例は要件を満たした場合の試算(相続人3人以上は1人2,000万円が上限)
- 対象外事項(この試算に含まれないもの)
- 小規模宅地等の特例、相続時精算課税、生前贈与加算、相次相続控除などの相続税の特例
- 相続登記の登録免許税・司法書士報酬、測量費、ハウスクリーニング費
- 売却までの固定資産税・維持費(空き家の維持費ページで試算できます)
- 譲渡所得にかかる国民健康保険料・介護保険料への影響
試算結果のご利用にあたって
- 本ページの数値は、記載の仮定条件に基づく概算の試算値であり、個別の税額を算定・断定するものではありません。
- 各種特例(空き家の3,000万円特別控除、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例など)は要件を満たした場合の試算です。実際の適用可否や個別具体的な税額計算は、必ず税理士にご確認ください。
- 運営者は税理士ではありません。個別の税務相談・税額の断定は行わず、一般的な制度の仕組みの解説と家計・不動産の維持費・売却手残りの比較に徹しています。個別相談窓口は設けていません。
- 不動産の評価額・売却価格は査定や市況により変動します。試算に使う価格は、不動産会社の査定など客観的な資料で確認してください。
- 詳しくは免責事項と計算の前提と出典一覧をご覧ください。
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