実家相続シミュレーター実家の分け方・空き家の手残り・二次相続を数字で比べる

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特定空家に指定されると固定資産税はいくら上がる?放置コストの試算(土地評価額1,400万円の例)

公開日 |2026年10月時点の法令に基づく試算|執筆・監修:矢部 敦

放置した実家が「特定空家」や「管理不全空家」に指定され、勧告を受けると、住宅用地の固定資産税を最大1/6にしている特例が外れます。税額が一気に跳ね上がるため、空き家対策の中でも最も見落とされやすいリスクです。

このページでは現状渡しの売却価格3,000万円・土地評価額1,400万円(150㎡)・建物評価額300万円・市街化区域という仮定条件で、特例ありとなしの年間税額、維持費の累計、売却した場合の手残りを比べます。

維持費は年26.2万円。今すぐ売ると手残り2,893.4万円、3年後に売ると2,188.1万円で、放置の差は705.3万円の試算です。

年間の維持費(税+固定費)

固定資産税・都市計画税 97,500円/年

26.2万円

今すぐ売った場合の手残り

空き家特例あり・仲介手数料と税を控除後

2,893.4万円

3年放置した場合の累計維持費

最も手残りが多いのは今すぐの売却

78.5万円

空き家の維持費は年間いくら?内訳と累計

住宅用地特例が適用されている現在の固定資産税・都市計画税は年97,500円ですが、勧告で特例が外れると289,000円になり、年191,500円の増加、5年で95.8万円の差になる試算です。

費目年額
固定資産税(土地・あり)32,600円
固定資産税(建物)42,000円
都市計画税(土地・建物)22,900円
火災保険・管理費・光熱費・修繕積立164,000円
年間合計261,500円
1年放置3年放置5年放置10年放置
26.2万円78.5万円130.8万円261.5万円

特定空家の勧告で固定資産税はどう変わるか

2023年12月施行の改正空家法で、倒壊の危険がある「特定空家」になる前の段階でも、放置すれば特定空家になるおそれのある「管理不全空家」として勧告を受ければ特例が外れるようになりました。草木の繁茂や窓ガラスの破損など、見た目の管理不足でも対象になりえます。

年間の維持費は固定資産税・都市計画税97,500円に火災保険・管理・修繕積立などを加えて26.2万円の試算です。1年なら気にならなくても、3年で78.5万円、5年で130.8万円、10年で261.5万円と積み上がります。

空き家の3,000万円特別控除は「相続開始から3年目の年末まで、かつ2027年12月31日まで」の売却が条件です。期限を過ぎると譲渡所得税等が557.3万円かかり、手残りが557.3万円減る試算です。

勧告を受けた状態でも売却はできますが、買主から見れば修繕や解体が前提になるため価格は下がりやすく、放置期間が長いほど選択肢が狭まります。

貸して維持費をまかなう選択もあります。家賃10万円/月(売却価格の年4%相当と仮定)で5年貸してから売ると、家賃の手取り410.4万円からリフォーム費150万円と維持費88.8万円を引き、特例なしの売却手残り2,221.3万円を足して合計2,393万円の試算です。今すぐ売った場合の2,893.4万円と比べると500.4万円少なくなります。貸すと空き家特例が使えなくなる点が大きく、家賃相場と売却予定の有無で判断が分かれます。

税目住宅用地特例あり(現在)勧告で特例が外れた場合
固定資産税(土地)32,600円196,000円
都市計画税(土地)13,900円42,000円
建物分(変わらない)51,000円51,000円
年間の固定資産税・都市計画税97,500円289,000円
売却時期想定売却価格空き家特例譲渡所得税等累計維持費最終手残り
今すぐ3,000万円あり−0万円−0万円2,893.4万円
1年後2,970万円あり−0万円−26.2万円2,838.2万円
3年後2,911万円なし−540.7万円−78.5万円2,188.1万円
5年後2,853万円なし−529.9万円−130.8万円2,090.6万円
10年後2,713万円なし−503.9万円−261.5万円1,850.7万円

この条件で特に注意したいこと

  • 空き家特例はあと2年使える想定。猶予はありますが準備は1年前から

    期限(相続開始から3年目の年末、かつ2027年12月31日)の1年前には査定と要件確認を始めるのが安全です。特例の有無で手残りが557.3万円変わります。

  • 維持費は売却価格の年0.9%。負担感は小さくても期限切れの税のほうが大きい条件です

    年間26.2万円の維持費よりも、特例の期限切れによる譲渡所得税等557.3万円のほうが大きい試算です。放置の損失は「毎年の費用」より「期限」で決まります。

  • 特定空家の勧告で税が年19.2万円増える条件です

    土地の評価額1,400万円に対する住宅用地特例が外れると、固定資産税・都市計画税は年97,500円から289,000円になります。草木の繁茂や破損を放置しないことが、税額を守ることにつながります。

  • 5年貸してから売ると、今すぐ売るより500.4万円少ない試算です

    家賃10万円/月の手取り累計より、貸すことで空き家特例を失う税負担(557.3万円)と維持費・初期費用のほうが大きい条件です。賃貸は「売る前提がない」「家賃相場が高い」場合に向きます。

条件を変えてシミュレーションする

売却価格・評価額・解体費・特例の適用年数を動かすと、右側の結論と表がその場で更新されます。

条件

不動産会社の査定額

木造30坪で100〜200万円程度が目安

200㎡以下の部分は固定資産税が1/6

築古は年1〜3%の想定が一般的

既定は売却価格の年4%相当。管理会社の査定で確認

築古の戸建てで100〜300万円程度が目安

入力した数値はブラウザ内だけで計算され、サーバーには送信されません。共有リンクには入力値が含まれます。

維持費は年26.2万円。今すぐ売ると手残り2,893.4万円、3年後に売ると2,188.1万円で、放置の差は705.3万円の試算です。

年間の維持費(税+固定費)

固定資産税・都市計画税 97,500円/年

26.2万円

今すぐ売った場合の手残り

空き家特例あり・手数料と税を控除後

2,893.4万円

今すぐに売るのが最も手残りが多い

維持費と税を差し引いた最終手残り

2,893.4万円

固定したあとに数値を変えると、案Aと案Bが並んで表示されます。

いまの条件での注意点

  • 空き家特例はあと2年使える想定。猶予はありますが準備は1年前から

    期限(相続開始から3年目の年末、かつ2027年12月31日)の1年前には査定と要件確認を始めるのが安全です。特例の有無で手残りが557.3万円変わります。

  • 維持費は売却価格の年0.9%。負担感は小さくても期限切れの税のほうが大きい条件です

    年間26.2万円の維持費よりも、特例の期限切れによる譲渡所得税等557.3万円のほうが大きい試算です。放置の損失は「毎年の費用」より「期限」で決まります。

  • 特定空家の勧告で税が年19.2万円増える条件です

    土地の評価額1,400万円に対する住宅用地特例が外れると、固定資産税・都市計画税は年97,500円から289,000円になります。草木の繁茂や破損を放置しないことが、税額を守ることにつながります。

  • 5年貸してから売ると、今すぐ売るより500.4万円少ない試算です

    家賃10万円/月の手取り累計より、貸すことで空き家特例を失う税負担(557.3万円)と維持費・初期費用のほうが大きい条件です。賃貸は「売る前提がない」「家賃相場が高い」場合に向きます。

空き家を持ち続けた場合の年間コストと累計

費目年額根拠
固定資産税(土地)32,600円評価額×住宅用地特例(1/6・1/3)×1.4%
固定資産税(建物)42,000円評価額×1.4%
都市計画税(土地・建物)22,900円評価額×特例(1/3・2/3)×0.3%
火災保険30,000円空き家向け保険の目安
管理・草刈り・見回り60,000円月5,000円程度
水道・電気の基本料金24,000円月2,000円程度
修繕積立(雨漏り・給湯器等)50,000円年5万円の想定
年間合計261,500円
1年放置の累計3年放置の累計5年放置の累計10年放置の累計
26.2万円78.5万円130.8万円261.5万円

もし特定空家・管理不全空家として勧告を受けると住宅用地特例が外れ、年間の税額は97,500円から289,000円に上がる試算です。

N年保有してから売却した場合の最終手残り

売却時期想定売却価格特例譲渡所得税等累計維持費最終手残り
今すぐ3,000万円あり−0万円−0万円2,893.4万円
1年後2,970万円あり−0万円−26.2万円2,838.2万円
3年後2,911万円なし−540.7万円−78.5万円2,188.1万円
5年後2,853万円なし−529.9万円−130.8万円2,090.6万円
10年後2,713万円なし−503.9万円−261.5万円1,850.7万円

貸して維持費をまかなう vs 今すぐ売る

選択家賃の手取り累計初期費用維持費累計売却手残り合計
今すぐ売る(特例あり)———2,893.4万円2,893.4万円
3年貸してから売る(特例なし)246.2万円−150万円−53.3万円2,266.5万円2,309.5万円
5年貸してから売る(特例なし)410.4万円−150万円−88.8万円2,221.3万円2,393万円
10年貸してから売る(特例なし)820.8万円−150万円−177.5万円2,112.2万円2,605.5万円

家賃は空室10%・管理委託5%・不動産所得の税率20%を差し引いた手取りで計算しています。相続後に貸した家は空き家の3,000万円特別控除の対象外になるため、売却時の税は特例なしで計算しています。管理費・光熱費は借主負担とみなし、維持費は固定資産税等・火災保険・修繕積立のみです。

解体して更地で売る vs そのまま売る

項目現状渡しで売却解体して更地で売却
売却価格3,000万円3,100万円
解体費用0円−1,800,000円
仲介手数料・印紙税−1,066,000円−1,099,000円
譲渡所得税等(特例あり)−0円−0円
手残り28,934,000円28,101,000円

差は83.3万円で、現状渡しのほうが手残りが多い試算です。解体後は住宅用地特例が外れるため、更地のまま年を越すと翌年の固定資産税が上がる点にも注意が必要です。

よくある質問

Q特定空家に指定されると固定資産税は何倍になりますか?

住宅用地特例が外れるため、200㎡以下の部分は固定資産税の課税標準が1/6から1/1になり最大6倍、都市計画税は1/3から1/1で3倍になります。本ページの仮定条件では年97,500円が289,000円になる試算です(建物分の税額は変わりません)。

Q管理不全空家と特定空家の違いは何ですか?

特定空家は倒壊のおそれや衛生上有害など、そのまま放置すると著しく危険な状態の空き家です。管理不全空家は、そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある状態で、2023年12月の改正で新設されました。どちらも市区町村の勧告を受けると住宅用地特例の対象外になります。

Q勧告を受けないためには何をすればいいですか?

一般的には、定期的な草刈り・換気・雨漏りの点検、郵便物の整理、近隣への連絡先の共有などの管理が基本です。遠方で管理できない場合は空き家管理サービス(月5,000〜10,000円程度)の利用や、早めの売却・活用の検討が現実的です。

Q放置するより売ったほうが得ですか?

本ページの仮定条件では、今すぐ売った場合の手残りは2,893.4万円、5年後に売った場合は維持費と特例切れの税を差し引いて2,090.6万円の試算です。損得は売却価格と維持費の水準で変わるため、まず実勢価格を把握したうえで判断することをおすすめします。

Qすぐに売るつもりはありません。放置しない管理の最低限は何ですか?

月1回程度の換気と通水、草刈り、郵便物の整理、雨漏りや破損の点検が基本です。遠方なら空き家管理サービス(月5,000〜10,000円程度)の利用や、近隣に連絡先を伝えておくと、特定空家・管理不全空家の勧告を避けやすくなります。火災保険は空き家向けの契約に切り替えが必要なことがあります。

計算の前提条件・対象外事項・出典

基準法令日
2026年10月時点の法令(2026-10-01 時点)に基づく試算です。法改正により結果が変わることがあります。
計算の前提条件
  • 現状渡しの売却価格3,000万円、更地価格3,100万円、解体費180万円
  • 土地の固定資産税評価額1,400万円(150㎡・小規模住宅用地特例あり)、建物300万円、市街化区域(都市計画税あり)、課税標準=評価額で負担調整措置は考慮しない
  • 火災保険年30,000円・管理費年60,000円・光熱費年24,000円・修繕積立年50,000円、建物評価額は経年で変わらないと仮定
  • 売却価格は年1%ずつ下落、取得費は不明(売却価格の5%)、所有期間5年超、仲介手数料は法定上限(税込)
  • 空き家の3,000万円特別控除は相続開始から2年後の売却まで適用できる(要件を満たす)と仮定し、相続人は1人
  • 貸す場合:家賃は売却価格の年4%相当、空室10%・管理委託5%・不動産所得の税率20%、リフォーム費150万円、貸した後の売却は特例なし
対象外事項(この試算に含まれないもの)
  • 相続登記の登録免許税・司法書士報酬、測量費、残置物の処分費
  • リフォームして売る・貸す・自分で住むなどの活用シナリオ
  • 譲渡所得にかかる国民健康保険料・介護保険料への影響
  • 相続税(実家の分け方ページと二次相続ページで試算できます)
出典(2026年10月14日確認)

試算結果のご利用にあたって

  • 本ページの数値は、記載の仮定条件に基づく概算の試算値であり、個別の税額を算定・断定するものではありません。
  • 各種特例(空き家の3,000万円特別控除、配偶者の税額軽減、小規模宅地等の特例など)は要件を満たした場合の試算です。実際の適用可否や個別具体的な税額計算は、必ず税理士にご確認ください。
  • 運営者は税理士ではありません。個別の税務相談・税額の断定は行わず、一般的な制度の仕組みの解説と家計・不動産の維持費・売却手残りの比較に徹しています。個別相談窓口は設けていません。
  • 不動産の評価額・売却価格は査定や市況により変動します。試算に使う価格は、不動産会社の査定など客観的な資料で確認してください。
  • 詳しくは免責事項と計算の前提と出典一覧をご覧ください。

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